ピルの休薬期間がしんどいと感じる理由とは？体調不良が起こる原因を調査！

「ピルを飲んでいても、休薬期間がしんどいのはなぜ？」
「なんでピルは続けて服用してはいけないの？」

ピルの休薬期間中に、上記のような不満をお持ちの方は多いのではないでしょうか？

ピルの服用でPMS（月経困難症）が楽になると期待していたのに、思うような効果がないと不安になりますよね。

また、休薬期間中のトラブルは、子宮内膜症やポリープなどの疾患が原因の場合もあり、注意が必要です。

この記事では、ピルを服用しても休薬期間の出血、痛みなどがしんどいという方のために、原因の解説や対処法を紹介しています。

休薬期間の「しんどい」症状を解決して、ピルを上手に活用しましょう。

ピルの休薬期間がしんどい5つの症状を解説！

人工のホルモンを補充することにより「排卵抑制」と「子宮内膜の肥厚抑制」を促すことが、ピルの働きです。

しかし、ピル服用中であっても休薬期間は体内のホルモンが減り、子宮から少量の出血があります。

月経と似ていますが、厳密には排卵を伴わないため、「消退出血」とよばれるものです。

休薬期間には、以下の様な症状が現れ、「しんどい」と感じる方が多いようです。

• 気分が落ち込み情緒不安定になる
• 体調不良｜頭痛や腹痛が辛い
• 消退出血が煩わしくてイライラする
• 避妊効果が続いているか心配になる
• 休薬期間なのに出血がない

こちらでは、上記の症状が起こる原因を解説しています。

症状によっては、医療機関への受診が必要な場合もあるので、参考にしてください。

気分が落ち込み情緒不安定になる

ピルを始めると、薬の休薬期間に、情緒不安定になるのが「しんどい」という方がいます。

気分が落ち込むと、モチベーションも下がり、仕事や人間関係にも影響が出ますよね。

これは、ピルの服用によるホルモンバランスの変化に、体が慣れていないということが一因と言えます。

元々、月経による影響が強かった方は、薬を服用してもすぐに症状が軽減するわけではありません。

時間をかけて徐々に改善させていく必要があるので、ピルの服用を続けながら様子を見ましょう。

体調不良｜頭痛や腹痛が辛い

ピルの休薬期間中には消退出血が起こり、通常の月経と同じように下腹部の痛みを感じることがあります。

月経痛ほどではないものの、頭痛や腹痛があれば何をしていても煩わしく「しんどい」と感じます。

ピルを服用により、排卵が抑制され、出血量は減っているものの、腹痛が完全になくなるわけではないのです。

また、頭痛はエストロゲンの分泌量の急減に伴ってセロトニンも減少するため、脳内血管が拡張することで発症します。

どちらの症状も、ピルの服用によりホルモンのバランスが整うことで、軽減していくと考えられます。

※セロトニン：血管を収縮する作用がある脳内物質

消退出血が煩わしくてイライラする

消退出血は通常の月経より出血は少なく、日数も短いものですが、「しんどい」という点ではあまり変化はありません。

月経と同様に、出血に対するケアも必要になり、煩わしく面倒に感じるでしょう。

また、出血の量や、痛みが軽減しない場合、ピルが体質に合っていないということもあります。

2〜3ヶ月様子を見ても軽減していない場合はピルの変更を検討してみましょう。

休薬期間中も変わらず、出血の量や、痛みなどの症状が重いという方は、ポリープや筋腫が影響している可能性もあるので、医療機関の受診を検討しましょう。

避妊効果が続いているか心配になる

ピルを服用しない休薬期間に、避妊効果が続いているかと不安になる場合があります。

休薬することでホルモン量がたりず、妊娠してしまうのではと考えてしまうのです。

また、休薬期間明けにピルの服用を忘れると、ホルモン量が足りなくなり、十分な避妊効果は得られません。

「ピルを飲み忘れないように」と常に気をつけなくてはならないのも、休薬期間の「しんどさ」につながります。

休薬期間なのに出血がない

休薬期間中に、消退出血がないということは、何らかの異常ではないかと心配になります。

病気以外にも妊娠の可能性も考えられるので、精神的な負担が「しんどい」と感じるのでしょう。

ピル服用中は、経血量の排出が減少し、出血がないように感じていても、微量の経血がオリモノにまじって排出されている場合があります。

自分の体調に不安を感じた場合は、医療機関への受診を先延ばしにせず、早めに確認しましょう。

そもそもピルの休薬期間とは？必要な理由と役割を解説！

画像引用：「ヤーズ配合錠」バイエル製薬・ファーマーナビ

「せっかくピルを飲んでいても、休薬して出血があるなら月経と変わらない！」
「月経がなくて楽なのに、なんで続けて飲んではいけないの？」

上記のように、休薬期間が面倒、意味がないのではと思われる方も多いでしょう。

しかし、医学的に休薬期間は必要とされており、理由として、以下の3つが挙げられます。

• 妊娠していないか確認する
• 消退出血を軽く済ませるため
• 卵巣の働きを正常に保つ

ピルの効果と、休薬期間が必要な理由を詳しく説明します。

妊娠していないか確認する

休薬期間に起こる消退出血によって、避妊に成功しているかどうかを確認します。

正常な消退出血が起きれば妊娠していない可能性が高く、起きない場合は妊娠を疑う必要があるでしょう。

また、ピルを正しく服用しても、妊娠する可能性は0.3％ほどあります。

確実な避妊を希望する場合は、他の避妊具などと併用が必要です。

消退出血を軽く済ませるため

定期的に休薬期間を設けることで、計画的に出血が起き、１回の出血量を減らせます。

ピルの内服から3か月程度で、もともとの月経よりも痛みや出血が少なくなり、期間も短くなるのが消退出血です。

ホルモンのバランスに、体が慣れるまで様子を見ましょう。

卵巣の働きを正常に保つ

卵巣の働きを正常に保つためには、メンテナンスの期間が必要です。

休薬期間は、意図的にピルの服用を止めることで、卵巣や子宮の活動を再開させています。

ピル服用中は卵巣が、働きを止めており、卵胞は育たず排卵も行われません。

そのため、定期的に自然な状態に戻し、健康を確認する必要があるのです。

参考：「経口避妊薬（ＯＣ）の有効性についてのとりまとめ」厚生労働省

参考：「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」日本産科婦人科学会編

ピルの休薬期間にしんどい気持ちを解消する3つの方法！

画像引用：「ヤーズ配合錠」バイエル製薬・ファーマーナビ

月経の過ごし方と同様に、ピルの休薬期間にも自分に合った過ごし方があります。

こちらでは、休養期間の「しんどい」を軽くするための方法を解説しています。

• 自分に合ったリラックス法を試してみる
• 普段から体を温めるように心がける
• 連続投与が可能なピルを使用する

上記の3つの中から選び、試してみてはいかがでしょうか。

自分に合ったリラックス法を試してみる

休薬中はホルモンバランスの乱れにより、腹痛や頭痛、イライラなどの不快症状が現れます。

また、消退出血により貧血気味となり、体がだるいという人も多いでしょう。

そんな休薬中は、慣れるまで無理をせず、ゆっくり休むことが大切です。

リラックスできるアロマや、お気に入りの音楽はイライラを鎮めてくれます。

休薬中に無理をすると、PMSの症状が強くなったり、疲れが溜まってしまう場合も少なくありません。

自分の体調と相談しながら、行動してください。

普段から体を温めるように心がける

休薬中のしんどい気分や、痛みなどの不快な症状を改善するには、身体を温めることがおすすめです。

身体を程よく温めることで全身の血行が良くなり、リラックスした気分になります。

普段から、温かい食事や飲み物を摂ったり、軽い運動などを行うのも効果的。

また、出血がある間は、入浴を控えている人も多いですが、清潔なお湯であれば入浴することも可能です。

血流がよくなると、過度な子宮収縮を防ぎ、痛みの軽減も期待できるでしょう。

連続投与が可能なピルを使用する

休薬期間を極力減らすために、ピルの連続投与を検討するのも良いでしょう。

最近では、消退出血を 3〜4カ月に1度にするタイプのピルが開発されています。

これまでの低用量ピルは、4週に1回の出血を起こす周期投与でした。

それに対して、連続投与できるピルとして開発されたのが、ヤーズフレックス（最長120日間）と、ジェミーナ（最長77日）です。

休薬期間の回数を減らすことに、メリットを感じるなら、連続投与が可能なピルの使用を検討してください。

参考：「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」日本産科婦人科学会編

連続投与が可能なオンラインピル処方おすすめクリニック7選

※表内の金額は全て税込

ピルのオンライン診療可能なクリニックは、忙しくて受診する時間がない人におすすめです。

平日夜や土日でも受診可能なクリニックがあるので、都合のいい時間を選んで診療が受けられます。

ピルのオンライン診療おすすめクリニックは別記事で料金比較などしながら詳しくまとめていますので、ぜひ合わせて確認してください。

連続投与が可能なピルが処方できるオンラインクリニックを院紹介します。

クリニックフォア｜最短当日発送、翌日到着

おうちでクリニック｜オンライン処方が初診から可能

エニピル｜電話で簡単スピーディな診療

mederi（メデリ）｜診察は何度でも無料

的場ウィメンズクリニック（横浜）｜良心的な価格設定で経済的

ポートサイド女性総合クリニックビバリータ｜ピルをその日のうちに受け取れる

産婦人科クリニックさくら｜セカンドオピニオンに対応

ピルの購入｜オンラインで処方を受けるための5ステップ

オンラインでピルを処方してもらう場合の流れを解説します。

• WEB上で予約をとる
• 事前に問診票に回答・送信する
• ビデオ通話などで医師による診察
• ピルの処方を受け精算
• 薬が自宅に届いたら服用開始

オンライン診療は来院の必要がなく、お住まいの地域に拘らず、自由にクリニックが選択できます。

空いた時間で、気軽にピルが購入できますよ。

①Web上で予約をとる

希望する時間をWeb予約。

オンライン診療システムの登録は、診療アプリをダウンロードし、指示に従います。

自由診療はクリニックによって価格に大きな差があります。

ピルの料金比較などを、事前に行ってから、予約しましょう。

②事前に問診票に回答・送信する

WEB上の事前問診票に回答し送信し、クリニックからの連絡を待ちます。

早い場合は20〜30分程度で診察に入りますが、混み合う時間帯はその限りではありません。

③ビデオ通話などで医師による診察

予約時間にビデオ通話、電話等で診療を受ける。

事前に記載した問診票を参考に、医師から症状・必要事項の確認があります。

オンライン診療は、診察時間が短いので、あらかじめ質問をまとめておきましょう。

④ピルの処方を受け精算

医師と相談しながらピルを選定し、処方を受けます。

オンライン診療は、クレジットカード決済がほとんどです。

他の支払い方法が可能かどうかは、事前に公式サイトを確認しておきましょう。

⑤薬が自宅に届いたら服用開始

診療を受けた後、数日でピルが手元に届きます。

医師から指導を受けたタイミングで、服用を開始します。

処方箋を院外の薬局に直接FAXすることが可能なクリニックもあるので、購入を急ぐ場合は、相談してみてください。

ピルの休薬期間に関するQ&Aを紹介

ピルの休薬期間に関するよくある質問を、紹介しています。

ピルの休薬期間中にも避妊効果はある？

薬を飲まない休薬期間も、避妊効果は持続するので安心です。

ピルは、21錠の実薬（ホルモンが入っているお薬）を毎日決まった時間に服用し、その後休薬します。

休薬期間終了後に、次のシートの服薬を続けることで、避妊効果が持続できますので飲み忘れに注意しましょう。

消退出血が始まらない｜考えられる原因は？

ピル休薬期間中に生理が来ない原因としては、妊娠があげられます。

服用中に性交渉があった場合は、医療機関で妊娠の有無を判断しましょう。

また、妊娠ではなくても、消退出血が起きないことがあります。

ピルの作用が強く出て、子宮内膜が薄くなり、経血が極端に減少しているかもしれません。

ピルの飲み忘れを防ぐ方法が知りたい！

避妊効果を維持するためにも、ピルの飲み忘れを防ぐための工夫をすると良いでしょう。

飲み忘れを防ぐ主な方法は、以下の３つです。

• 1シート28錠タイプのピルを使用する
• 生活のサイクルに合わせて飲む
• 管理アプリを利用する

自分に合った方法を取り入れ、無理なくピル服用を継続してください。

ピルを飲み忘れの対処法などは別記事でもまとめていますので、参考にしてください。

1シート28錠タイプのピルを使用する

ピルの服用で一番影響があるのが休薬期間前後の飲み忘れです。

休薬期間の7日以後に服薬の再開が遅れると、ピルによって調整されたホルモンのバランスが崩れ、排卵がおきてしまいます。

偽薬には薬効成分が含まれないため、不要に感じますが、休薬後の服用忘れを防ぐためには有効です。

生活のサイクルに合わせて飲む

生活のサイクルに合わせて、ピルの服用を習慣化すると、飲み忘れを防げます。

朝起きてすぐ飲む、または寝る前に飲むなど、続けやすいタイミングを選ぶことで、習慣化されるでしょう。

管理アプリを利用する

ピルの服用を管理するアプリの利用は、飲み忘れ防止に有効です。

iPhoneの標準アプリ「ヘルスケア」には、薬の内服を通知する機能が付いており、簡単に利用できます。

また、携帯のアラームをセットしておけば、飲み忘れを防げるでしょう。

休薬期間の出血はいつから？

休薬してから2日前後で、「消退出血」が起きます。

休薬によって女性ホルモンが補われなくなり、子宮内膜が体外に排出されるためです。

この出血は通常の月経より少量ですが、5日程度続きます。

出血が起きない場合は、妊娠の可能性があるため、医療機関で妊娠の有無を確認しましょう。

ピルの種類や効果について知りたい！

現在処方されているピルは、主に超低用量ピル・低用量ピル・中容量ピル・アフターピルの4種類です。

含まれるエストロゲン（卵胞ホルモン）の量により、その使用目的が分かれます。

ピルの種類とエストロゲンの量	使用の目的
超低用量ピル エストロゲンの量 0.03㎎以下	PMSの改善 月経痛の改善 ニキビの改善
低用量ピル エストロゲンの量 0.05㎎以下	避妊 PMSの改善 月経痛の改善 ニキビの改善
中用量ピル エストロゲンの量 0.05㎎以上	月経移動 緊急避妊
アフターピル エストロゲン含有せず	緊急避妊

ピルは、使用されるプロゲスチン（黄体ホルモン）の種類により以下のような世代に分かれます。

世代別・黄体ホルモンの種類	効果/製剤の種類
第1世代 ノルエチステロン	月経困難症のコントロールに優れる 子宮内膜症の治療効果が高い フリウェルULD ルナベルULD
第2世代 レボノルゲストレル	不正出血が起こりにくい トリキュラー ラベルフィーユ アンジュ ジェミーナ
第3世代 デソゲストレル	大人ニキビや多毛症の改善 マーベロン ファボワール
第4世代 ドロスピレノン	大人ニキビの改善 むくみが少ない ヤーズ ヤーズフレックス ドロエチ

自分の症状や体質、期待する効果に合わせてピルを選ぶと良いでしょう。

ピルを服用していても妊娠の可能性はあるの？

ピルを服用していても妊娠してしまうケースはあります。

避妊効果が高いピルも統計上、0.3％の確率で妊娠してしまうことが報告されているのです。

以下のような条件に注意してください。

• ピルの飲み忘れ
• 服用後の下痢や嘔吐
• 飲み合わせの悪い薬、サプリの服用

抗生物質や抗てんかん薬の服用は、ピルの避妊効果を減少させます。

また、サプリメントの種類で、セイヨウオトギリソウが含まれているものは、低用量ピルの効果を減弱させると報告されています。

参考：「産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2020」公益社団法人日本産科婦人科学会

参考：「低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤　ガイドライン」