低用量ピルを服用すると太るってホント？体重が増える原因や体調の変化について解説！

「低用量ピルを服用すると太るのは本当？」
「ピルで痩せる噂もあるけど、どちらが事実？」

低用量ピルには避妊効果以外にもいくつかのメリットがありますが、「ピルで太る」という噂があるため、服用を迷う方も多いようです。

この記事では低用量ピルを服用することで起こる身体の変化と、ホルモンの作用により太らないための予防法についても解説しています。

低用量ピルの服用を検討する際の参考にしてください。

低用量ピルの服用で太るって本当？

低用量ピルはエストロゲン（卵胞ホルモン）とプロゲスチン（黄体ホルモン）が、低用量含まれたお薬です。

そのピルを内服すると、脳は「黄体期と同じような状態になっている」と勘違いし卵胞刺激ホルモンは放出を抑制。

結果として卵子が発育せず、排卵も起きないため、高確率で避妊効果が得られています。

人工的なホルモンの服用で体内の女性ホルモンのバランスを調整し、擬似的に「黄体期」を作り出すことがピルの働きです。

画像引用：【医師監修】黄体期とは？月経周期の基礎知識 　バイエル製薬　エルビット

こちらでは、そんな低用量ピルを服用すると太るとされる原因について解説しています。

• 低用量ピルによる体重増加に因果関係はない
• むくみのせいで太って見えることがある
• 食欲増進が起こり太りやすい状態になる

低用量ピルと服用後の体の変化と併せて説明します。

低用量ピルによる体重増加に因果関係はない

低用量ピルを服用すると太るという噂がありますが、実は低用量ピルによる体重増加に因果関係はありません。

医療部門の情報を掲載するコクランレビューにおいて、ピルの服用は体重の変化に影響を与えないという研究結果が発表されています。

このことから、ピル自体に太る作用はないと言えるものの、太るという噂の原因は以下の2つの女性ホルモンの作用によると考えられるでしょう。

ホルモンの種類	エストロゲン「卵胞ホルモン」	プロゲステロン「黄体ホルモン」
主な働きや特徴	子宮内膜を厚く整え、妊娠に備える 女性らしいカラダをつくりる 自律神経の働きを安定させる コラーゲンが産生され美肌をつくる 血管、骨、関節、脳などを健康に保つ	子宮内膜を柔らかく維持 （妊娠しやすい状態に保つ） 水分や栄養素をため込む 妊娠が成立後、妊娠を維持 体温を上げる 食欲増進

低用量ピルで太るのは、ホルモン変化による二次的要因であると考えられます。

むくみのせいで太って見えることがある

低用量ピルに含まれるプロゲステロン（黄体ホルモン）の作用による「むくみ」が原因で体重が増えたり、太って見えたりすることがあります。

プロゲステロンには水分や栄養分を体内に溜め込む性質があり、これは受精卵を守り育てる準備のために必要な働きであるためです。

しかし、受精が成立しなかった場合、準備された栄養や水分は必要なくなり、月経が始まると同時に体内に排出されます。

このホルモンのバランスにより、排卵から月経までの体は体重が増加しやすく、また月経後の体重は減少しやすいのです。

低用量ピルの服用を始めると、人工的なホルモンを取り入れた状態でバランスを調整するため、むくみが現れることがあります。

そのほかにも、食欲の増進、眠気、だるさによる運動量の減少が「太る」ことにつながる要因かもしれません。

食欲増進が起こり太りやすい状態になる

低用量ピルに含まれる黄体ホルモンには食欲増進作用があり、ついつい食べ過ぎてしまい太ることがあります。

黄体ホルモンの影響によるインスリン（膵臓のランゲルハンス島β細胞から分泌される血糖値を下げるホルモン）の分泌量の増加が、低血糖の原因となるからです。

黄体ホルモンにはインスリンの効果を弱める働きがあり、血糖値を下げようと多量のインスリンが分泌されます。

結果、インスリンの量が多すぎることで低血糖状態になり、倦怠感や憂うつ感をおぼえ、この反動で無性に甘いものを食べたくなる人が多いのです。

ピルの影響により黄体期（月経前）の状況にある体は食欲も亢進しているため、この二つの原因が重なり太りやすくなるのです。

参考：「年齢とともに変化！女性ホルモン」あすか製薬株式会社
参考：「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン（改訂版）」日本産科婦人科学会編
参考：「糖尿病における性差医療」　日本糖尿病学会誌第56巻第8号

低用量ピルをやめると痩せるの？

低用量ピルの服用を始めたことで「太ってしまった」という意見がある一方で、服用を始めたことで「痩せた」という方も一定数いらっしゃるようです。

しかし、医療従事者向けのガイドラインにおいて、ピルそのものと体重増加についての関係は特にないとされています。

では、ピルをやめたことで痩せた方の体にはどんな影響があったのでしょうか？

こちらではピルの服用と「痩せる」ことの因果関係について解説しています。

• 元の体重に戻ろうとするため痩せて見えることも
• 低用量ピルの服用自体で痩せるケースも

以上の項目について詳しく説明します。

元の体重に戻ろうとするため痩せて見えることも

低用量ピルの服用をやめた場合、体には通常通りの月経が始まり、卵胞期へと移行します。

エストロゲンが多く分泌される卵胞期（月経終了〜排卵まで）は、古い子宮内膜が月経により排出される上に、代謝が活発になるため、ダイエット効果が出やすくなるのです。

女性の月経周期から見て、月経から卵胞期はとてもダイエットに向いているといえます。

体が元の状態に戻ろうとするため、これといった食事制限や運動をしなくても体重が減少する人が多いのです。

低用量ピルの服用自体で痩せるケースも

低用量ピルの服用を始めることで、痩せられる場合もあります。

低用量ピルには、生理の前に発症する「月経前症候群（PMS）」を改善する効果があるからです。

PMSは生理前に現れる様々な症状を指し、肌荒れや頭痛、自律神経が乱れ、イライラや感情の起伏、むくみや食欲増進による体重増加などがそれにあたります。

低用量ピルの効果によりPMSが改善されると、イライラによる過食、むくみや食欲増進などが改善され、痩せる可能性もあるのです。

参考：「生理前にダイエットをしても効果が出にくいのは本当ですか？」オムロン公式サイト
参考：「生理期間の食欲問題」興和株式会社

低用量ピルを服用しても太らないための予防法を紹介

ピルによる体重増加を防ぐには、ホルモンの作用による「過食」や「むくみ」を防ぐことが大切です。

ピルによる太りやすさは少しの工夫で予防できる場合が多いので、まずはピルを服用しつつ様子を見てみましょう。

数ヶ月の継続でホルモンバランスが整えば、低用量ピルの服用で「太る」問題は解消できる可能性があるからです。

こちらでは、太らないための対策として有効な方法を紹介しています。

• 血行を良くしてむくみを予防する
• むくみ緩和の薬を処方してもらう
• 食生活を改善して食べ過ぎないようにする
• 低用量ピルの種類を変えてみる

低用量ピルの服用しても太りたくない方は、ぜひ参考にしてください。

血行を良くしてむくみを予防する

低用量ピルの服用では、「むくみ」を管理し予防することが大切です。

同じように体重が増えても、むくみと肥満では成り立ちが違います。

むくみは身体の水分が異常に増加した状態であり、肥満は脂肪分が増えることです。

ひどいむくみでは、3〜4日で数㎏も体重が増加することがありますが、肥満ではこんな極端な増加はありません。

マッサージや運動を取り入れたり、お風呂にゆっくり浸かり温めたりすることで軽減していきます。

こちらでは予防法について紹介しています。

適度な運動を取り入れる

血行を良くするためには、ウォーキングやランニングなどの適度な運動を取り入れることが大切です。

普段の生活の中ではなるべく階段を使ったり、広い歩幅で歩いたりするだけでも運動量が増え、むくみの解消に繋がります。

運動と並行して全身ストレッチを行ったり、リンパマッサージをしたりするのも良いでしょう。

ゆっくりと入浴する

お風呂にゆっくりと浸かると、水圧がリンパの流れを促進し、体が温まることからむくみの改善が期待できます。

入浴により血行を促進させ、発汗を促すことはむくみ解消だけでなく、適度なリラックス効果も得られるのでストレスの軽減にもなるでしょう。

「気に入った香りや、血行促進効果のある入浴剤を使ってみる」などの工夫も、バスタイムを充実させ、むくみの改善に繋がります。

着圧ソックスを履く

着圧ソックスは、ふくらはぎの筋肉を刺激し収縮させ、静脈を拡張させにくくする働きがありむくみの軽減に有効です。

着圧ストッキングはふくらはぎを適度に圧迫することで、その収縮もサポートします。

ただし、使用方法を間違えると十分な効果を得られないので、着用方法や注意点をよく読んでから正しく使ってください。

むくみ緩和の薬を処方してもらう

他の方法でむくみが解消できない場合は、「むくみの緩和が期待できる薬」をクリニックで処方してもらうのも良いでしょう。

漢方薬やサプリメントを服用したい場合も、低用量ピルを処方してくれた医師に確認すると安心です。

漢方薬やサプリメントは健康食品のようなイメージかもしれませんが、併用しても絶対に問題がない訳ではありません。

一部の生薬には、低用量ピルの効果を弱める可能性があるとされるものもあるので注意してください。

食生活を改善して食べ過ぎないようにする

低用量ピルの服用中は食生活を改善して、食べ過ぎないようにすると良いでしょう。

咀嚼は脳の活性化や、唾液の分泌量の増やし消化を助ける効果もあり、よく噛んで食べると少量の食事で満足感を得られ、内臓脂肪の分解促進する効果も期待できます。

食事の回数を増やすこともインスリンの分泌量が抑えられ、食べ過ぎ防止には有効です。

また、質のよい睡眠は、太ることを防ぐためにもとても大切です。

睡眠不足になると、私たちの体内ではグレリン（空腹ホルモン）が増加し、食欲増進されてしまう原因に繋がります。

睡眠は長時間眠ればよいということではなく「スムーズに入眠し、深く眠れたという実感すること」がポイントです。

質のよい睡眠を取るためには、「ブルーライトの抑制」「入眠環境」などを意識するとよいでしょう。

摂取カロリーに注意する

低用量ピルの服用時太らないためには、摂取カロリーに注意することが大切です。

自身の年齢や生活スタイルにあわせ摂取カロリーを計算し、食事量を調整します。

摂取カロリーを計算するためには、自分の生活運動量に併せた基礎代謝量や消費カロリーなどの計算が必要です。

ただし、摂取カロリーや栄養成分は1日に必要な量を下回らないよう注意してください。

糖質の少ないものを選ぶ

低用量ピルの服用時に食欲旺盛になってしまっても、なるべく「糖質の少ないもの」を選んで食べると良いでしょう。

食事の際も、食物繊維が豊富でGI値の低い食品（＊）をゆっくり食べることで、血糖値の上昇を防ぐことができ、少ない糖質量で満足感を得られます。

また間食に、甘いものを食べたくなった場合も、高カカオチョコレートや低糖質のデザート、グレープフルーツなど低糖質のフルーツを選べば、罪悪感はありません。

＊GI値：​​グライセミック・インデックス（Glycemic Index）の略で、食後の血糖値の上昇を示す指標。GI値は高・中・低と分類されている。GI値が70以上の食品を高GI食品、56〜69の間の食品を中GI食品、55以下の食品を低GI食品とされている。

カリウムを含む食べ物を食べる

むくみを取るためには、カリウムを積極的に摂取すると良いでしょう。

むくみの原因の1つは塩分で、摂りすぎた場合体内には余分なナトリウムや水分が蓄積されます。

カリウムには、体内の余分なナトリウムや水分を体の外に出す働きがあるため、むくみの症状は軽減します。

カリウムは「海藻、果物、野菜、いもおよびでんぷん類、豆類」に多く含まれていますので、積極的に食事に取り入れましょう。

塩分とアルコールを控える

むくみを解消したい場合は、塩分とアルコールを控えるようにしましょう。

身体には体内のミネラルバランスを調整するため、塩分濃度を一定に保つ機能があります。

塩分を摂りすぎた場合、その塩分濃度を薄めるために水分を溜め込んでしまうことでむくみが発生するのです。

また、飲酒により血中のアルコール濃度が高まると血管が拡張し、むくみやすくなります。

これは、静脈やリンパによる水分の処理（排泄）が追いつかないためです。

ピルの効果に大きく影響がするわけではありませんが、アルコールはむくみを助長する原因になります。

低用量ピルの種類を変えてみる

むくみや食欲増進などの症状が治らない場合は、低用量ピルの種類を変えてみると良い場合があります。

2ヶ月程度ピルの服用を続けても、食欲やむくみなどの症状が治らない場合は、服用しているピルが自分に合っていない可能性も考えられるからです。

低用量ピルにはたくさんの種類があるので、自分に合ったものを選択することが大切です。

医療機関にて相談してみましょう。

参考：「血糖値とGIの関係性」　大塚製薬
参考：「食後高血糖を抑える「セカンドミール効果」って何？」　オムロン公式サイト
参考：「カリウムの多い野菜とは？」サントリーウエルネス株式会社

自分に合う低用量ピルを見つける｜オンラインピル処方クリニックを5院紹介

低用量ピルの処方を受けるなら、ピルオンライン処方がおすすめですよ。

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また近年では、適切なオンライン診療の普及を推進するために、厚生労働省において医師は研修を受講することが義務とされています。

このことからも、オンライン診療は安心してピルの処方が受けられると言えるのではないでしょうか。

参考：「オンライン診療研修実施概要」厚生労働省
参考：「オンライン診療の適切な実施に関する指針」厚生労働省

クリニックフォア｜在籍医師によるオンライン診療

DMMオンラインクリニック｜ピルは最短当日配送

おうちでクリニック｜医療スタッフがサポート

OopsWOMB（ウープスウーム）｜2ヶ月分を半額でスタート

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ピルに関するよくある質問

こちらでは、ピルに関するQ＆Aを紹介しています。

ネット上には低用量ピルの効果についてたくさんの情報があり、正しいのかどうか不安になる場合も多いですよね。

そんなピルに対しての疑問の中から、以下の質問を紹介しています。

• 低用量ピルにはどんな効果がある？
• ピルの種類について知りたい？
• ピルにはどんな副作用がある？
• 低用量ピルの服用は将来の妊娠に影響ある？

ピルの服用を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

低用量ピルにはどんな効果がある？

ピルは、黄体ホルモン（プロゲステロン）と卵胞ホルモン（エストロゲン）を配合した薬です。

その中でも、低用量ピルはエストロゲン含有量0.05mg以下のものを指します。

子宮内膜の増殖を抑制・排卵を抑制と併せて女性ホルモンのバランスを整える働きがあり、その結果として期待されるのは以下の効果です。

• 高い避妊効果
• 月経痛の軽減
• 月経前症候群（PMS）の軽減
• 月経前後の体調管理・月経不順の改善
• 肌トラブル（ニキビ・吹き出物など）の改善
• 卵巣がん・子宮体がんのリスク軽減

低用量ピルの効果を理解し正しく使用すれば、かなりの高確率で妊娠を防ぐことができます。

参考：「経口避妊薬（ＯＣ）の有効性についてのとりまとめ」厚生労働省

ピルの種類について知りたい！

ピルには、超低用量ピル・低用量ピル・中容量ピル・アフターピルの4種類があります。

種類	使用の目的
低用量ピル エストロゲン含有量0.05㎎以下	PMSの改善 月経痛の改善 ニキビの改善
超低用量ピル エストロゲン含有量0.03㎎以下	避妊 PMSの改善 月経痛の改善 ニキビの改善
中容量ピル エストロゲン配合量0.05㎎以上	月経移動
アフターピル エストロゲン含有なし	緊急避妊

低用量ピルには配合されるエストロゲンの種類により、以下のような世代に分かれます。

世代：開発時期	第1世代	第2世代	第3世代	第4世代
エストロゲンの種類	ノルエチステロン	レボノルゲストレル	デソゲストレル	ドロスピレノン
特徴	月経困難症のコントロールに優れる 子宮内膜症の治療効果が高い	不正出血が起こりにくい	大人ニキビや多毛症の改善が期待できる	大人ニキビの改善が期待できる むくみが少ない

むくみなどの副作用が気になる場合は、第4世代のピルが合う場合があります。

不安な方は、診療の際に医師に相談しましょう。

ピルにはどんな副作用がある？

低用量ピルの副作用として確認されているのは次のとおりです。

• 下腹部痛
• 不正出血
• 頭痛
• むくみ
• 悪心
• 乳房の張り

ピルの飲み始めの頃、1〜3ヶ月でおさまるケースが多いですが数ヶ月たっても続いたり、症状がつらい場合はクリニックの担当医師に相談しましょう。

まれに重篤な副作用として、「血栓症」が起こる恐れがあります。

手足のしびれや急な頭痛などが現れた際は、すぐに医療機関を受診しましょう。

参考：「低用量ピルの副作用で血栓症が起こる原因や確率は？」ネオクリニック
参考：「経口避妊薬（ＯＣ）の安全性についてのとりまとめ」

低用量ピルの服用は将来の妊娠に影響ある？

ピルを服用していても、将来的に妊娠への影響は低いと報告されています。

低用量ピルの服用を取りやめしばらくすると、通常通り月経が訪れ妊娠できる状態へと戻るからです。

むしろ、ピルの服用は不妊につながる病気の1つである「子宮内膜症の予防」も期待できるため、妊娠においてメリットとなります。

参考：「経口避妊薬服用後妊娠による心身障害児」国立保健医療科学院
参考：「経口避妊薬（ＯＣ）の有効性についてのとりまとめ」厚生労働省